皆さん、トポロジー最適化の結果、下の図のように、拘束部までの部材がなくなってしまい困ったことはないでしょうか?

(体積率 30% 以下で、コンプライアンス最小化)
こういうことが起きてしまうのは仕方ないのでしょうか?いいえ、違います。これは、最適化をする際に、拘束部に対して意味を与えていないから、消えてしまうのです。
もう少し詳しく見てみましょう。次の図は、拘束力を示しています。上下の拘束部は2100Nという力が掛かるのに、例の真ん中の拘束部はほとんど0Nです。せっかく拘束しているのに拘束力について指示を与えていないので、拘束力が0Nになってしまうのです。
さらに詳しく見てみましょう。今回の例は片持ち梁と同じ形式になっているので、拘束部には、入力を相殺する力と、回転モーメントを相殺する力が発生します。真ん中の拘束部は入力部と高さのズレがないので、入力を相殺する力だけが働きます(部材が残っていれば)。
それでは、真ん中の拘束に対して、最低でも500Nの相殺力が発生しなくてはならないとしたらどうなるでしょうか?その場合、次の図のように、ちゃんと真ん中の拘束部への部材が残るのです。
拘束部までの部材が消えてしまって困ったときは、拘束部に物理的な意味を与えるようにしてください。この入力ファイルはAltair Communityからダウンロードいただけます(ログインが必要です)。