韓国気象庁は、Altairとともに、ワークロード管理ソフトウェア「PBS Professional」を搭載したCray XC40システムによる空調システムの稼働シミュレーションを実施しました。CFDソルバー「AcuSolve」の解析結果に基づく試算では、KMA の電気料金は年間で最大 61,000ドルの削減、電力消費量は約3%減少が見込まれます。
韓国気象庁(KMA)は、国民の生命や財産を自然災害から守るとともに、経済活動の支援を通じて社会の生活環境を改善するという責務を負っています。
主な業務は、地上、海上、大気中の気象現象の観測および分析のほか、天気予報や警報の発表、気候に関する統計情報や産業向けの気象データの提供です。また、国内外の組織との気象データや気象情報の交換、研究活動、技術開発、そして国際協力なども行っています。1313人の公務員を擁し、合計で97の気象観測所(レーダー11基、高層気象観測所5カ所、自動気象観測所477カ所を含む)を運営しています。
課題: 低コストかつ省エネのスーパーコンピューター
KMAはこのほど、現在運用中のスーパーコンピューターと同等の導入費および運用費で、新たにスーパーコンピューターユニット4(Cray® XC40™システム)を設置することを検討し始めました。このスーパーコンピューターは、実測値で現行機の30倍のスピードを発揮できる見込みで、この計算スピードの向上はKMAがスーパーコンピューターの性能でリードするためには欠かせません。
10万以上の計算コアを搭載したスーパーコンピューターユニット4は、毎秒1000兆回の演算を実行できますが、電力消費量も発熱量も膨大です。バランスの取れた運用をするためには、国立気象研究スーパーコンピューターセンター(NCMS)の室温を一定の低温に保つことが不可欠です。しかし、電力消費量が増大するスーパーコンピューターユニット4では、空調システムへの大きな負荷は避けられません。
この課題を克服するため、KMAはCray社とAltairの協力を得て、NCMSの空調システムに期待される稼働条件をシミュレーションし、増大した電力消費量と冷却ニーズに応えるための要件を割り出すことにしました。
– Ha-young Oh, Assistant Director of National Center for Meteorological Supercomputer

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