APA(Altairパートナーアライアンス)には「Design Profit」という製造工程を線図で作り、工数、部品代などを見える化するツールがあります。私自身、FEM屋であり、なかなかこの手のツールには縁がないのですが、試しに使って見たところ、なかなか面白いツールで、可能性を感じたので、本ブログで紹介します。
実際に自分で試してみようと思ったとき、私がちゃんと作り方を分かっているのは焼きそばくらいでしたので、焼きそば工程を作ってみました。
具は、キャベツとキノコと豚肉です。
キャベツを切る、キノコをばらす、豚肉を切る、炒める、麺をゆでる、ソースと混ぜる、という工程モデルをDesign Profitで作成します(図1)。
図 1: やきそば標準工程
各工数は図1に書いてある通りで、食材費としてはキャベツ100円、キノコ100円、豚肉400円、袋焼きそば200円と入力してあります。その結果算出される、調理が終わるまでの時間が1150秒、約19分で、食材費が800円となりました(図2)。(初心者すぎて通貨記号の変え方が分からなかったため、$マークのままになっています)
図 2: 調理時間(Throughput)と食材費(RollUp Piece Cost)
ものすごく外れているということもないと思います。
誰かに調理を手伝ってもらう
図1を見てぱっと思うのは、「横に長い」ということです。横に長いということは、作業を一つ終えてから、次の作業に取り掛かっているということです。
例えば、肉を切るのにキャベツを切り終わるのを待つことは、物理的には必要ありませんし、肉、野菜を炒め終わるまで、麺をゆでるのを待つ必要もありあません。そこで、誰かに手伝ってもらって、平行して調理を進めることにしてみました。それが図3です。
図3: 手伝ってもらって平行して調理
その結果が図4です。900秒、15分ということで、4分も短縮することができました。
図4: 手伝ってもらったときの調理時間、食材費
カット野菜、こま切れ肉を使う
もう一つ、図1を見て思うのは、食材を切るのは面倒だということです。そこで、カット済みの食材を使うことを試してみました。キャベツやキノコをカットするのではなく、カット野菜に置き換え、肉をカットするのではなく、こま切れ肉に置き換え、カット作業を無くしました(図5)。
図5: カット済み食材への置き換え
その結果が図6です。カット野菜を350円と設定したため、食材費は高くなりましたが、調理時間は670秒、約11分と、最初に比べて、圧倒的に短くすることができました。
図6: カット済み野菜を使った場合の結果
まとめ:Design Profitで製造工程の問題点を発見
いかがでしたでしょうか?Design Profitは製造工程を独自のブロック線図でつないで可視化するだけのシンプルなツールです。しかしそれにより、問題点を感じ取ることがき、解決のアイデアが出てくる、というのがDesign Profitの魅力です。例えば表で表現しても、なかなか感じ取れないことだと思います。
プリセットの部品や工程も用意されていますが、自分でも作成できます。是非、皆さまの業務内容に合わせて使ってみてください。