2017年3月7日、8日に開催された「自動車技術に関するCAEフォーラム」にて、ADAS(先進運転支援システム)に対するAltairのソリューションをご紹介しました。
これまでは「ぶつかっても安全な車」が開発されてきましたが、ADASの考え方は「ぶつからない車」。「ぶつかったらそこで運転終了」という状況から、いかにしてぶつからないか、すなわち、広い状況把握と予測による衝突回避が必要です。また、ただ単純にぶつからなければよいかというと、急ブレーキをかけた結果乗員が放り出されたり、タイヤがスリップしてしまったりしては全く駄目です。
この車両開発の大きな変化がCAEの利用方法も変化させています。それは、一つの物理現象の解析ではなく、いろいろな解析を組み合わせた連成解析が必須になっているということです。
たとえば、でこぼこ道を走行する車両(機構解析)や濡れた路面を走行する車両(機構解析&熱流体解析)でも安全に(車両操縦安定性機構解析)ブレーキをかける(システム制御)。高速道路を走行中(機構解析)に、橋の上で横から突風が吹く(流体解析)。またセンサーだらけの車両で不可欠なケーブルやその通信の混信回避問題(電磁両立性解析)や、ほかの車両との通信やトンネル内での電波の伝播の問題(電波伝播解析)も持ち上がってきます。さまざまな状況下で運転し続けるには、このように多くの現象を考慮しなければいけません。
連成解析をおこなうとき、各ソフトウェアを一つ一つ購入する必要がないのがHyperWorksです。
高周波電磁波の解析でアンテナ・EMC・散乱などを確認したい場合はFEKO。高周波電磁波の解析で電波の伝播などを確認したい場合はWinProp。低周波電磁場の解析で発熱・モータなどを解析したい場合はFlux。流れ・乱流・伝熱の解析にはAcuSolve。機構や駆動の解析はMotionSolve。衝突解析はRadioss。振動騒音・熱応力などの解析にはOptiStruct・・・HyperWorksに含まれるこれらのソフトウェアは、一つのソフトウェアを使うために必要なポイント数が決まっています。自分の保有ポイントから必要ポイント数を払ってソフトウェアを利用し、利用が終わるとポイントが戻ってくる仕組みです。夜中に計算を流すなど、24時間全保有ポイントを休ませることなく利用し、とてもお得に多くの解析業務をこなしている企業様もいらっしゃいます。
ADASに限らず、連成解析にご興味ございましたらお気軽にご相談ください。
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