日本から米国へ

社員インタビューシリーズ第2回

アルテアの日本オフィスに5年在籍した後、OptiStructの開発本部(カリフォルニア州アーバイン市)へ異動し、現在、シミュレーション&デザイン開発部門のOptiStruct開発SVP(上席副社長)を務める佐伯純司さんにお話を伺いました。

日本からカリフォルニアへ

-アルテア入社当時のことを教えてください

佐伯:24年前、従業員がまだ10人にも満たないアルテアの日本支社へ新卒で入社しました。今でこそ100名を超え、いろいろな部署ができましたが、当時はサポート業務、パンフレットの原稿作成、本社の開発とのやり取り、お客様へのプレゼン、なんでもこなして日本全国を飛び回っていました。

-異動のきっかけを教えてください

佐伯:30歳になり自分の今後のキャリアについて考え始めたころ、ちょうど米国でOptiStruct開発者の募集がありました。日本支社はいい人ばかりで楽しかったのですが、別のことにチャレンジをして経験を積むべきだと感じていたタイミングでしたし、ありがたいことに当時の本社技術責任者から直接電話をもらい、決心しました。

-不安はありませんでしたか?

佐伯:失敗しても、アメリカが嫌になっても、また仕事はどこかで見つかるだろうし、どうにかなるかなと思っていたので、とくに不安はなかったです。

アメリカ社会へ飛び込んでみて

-渡米後、苦労したこと、困ったことはありましたか?

佐伯:文化や考え方の違いもありましたが、一番大変だったのは専門知識を学ぶことでした。もともとOptiStructを使っていましたが、開発の現場に行くと求められる知識の深さが全く違い、勉強に明け暮れているうちにあっという間に時間が経ってしまいました。何に苦労したか覚えていないほどです。

-日本とアメリカで、労働環境はかなり違いますか?

佐伯:自分の場合、働く時間の長さとしてはあまり変わらないと思います。特にコロナ禍で在宅勤務になってからは、終業のタイミングが難しいです。オンラインミーティングが主流になり、開発の責任者という立場になったのも影響して、世界中に散らばるスタッフと打ち合わせるため早朝から深夜まで働くこともあります。

日本にいる頃は、よく仕事終わりに飲みに行ったりもしましたが、アメリカは車通勤ですし、飲みに行くこともあまりありません。たまに行ったとしても1時間くらいで解散したりして、日本ではとことん付き合うタイプだったので少し寂しくもあります(笑)

時間の制約という面では、自由度は高いと思います。コロナ禍以前も定時はなくて、好きな時間に出社して好きな時間に帰っていました。現在は週1で出社、来年は週2に増やす予定です。

長期休暇も取りやすく、1ヶ月ほど休む人もいますが、自分は日本へ帰国するときでもせいぜい2週間程度です。それでも心配性なのでパソコンを持っていきメールを見てしまいます。また、最近はUnlimited Vacationと言って、休暇日数に制限がなくなりました。10月からは勤務記録も不要になりました。

-まったく働かない人も出てくるのではないですか?

佐伯:時間の制約はありませんが、成果は出す必要があります。特に、現在はアジャイル開発プロセス(短い開発サイクルを素早く繰り返していく手法)を採用していて、チーム全員が前日の成果と問題点、今日のタスクを共有するDaily Scrumと、スプリント(3週間)ごとに自分が決めた目標に対する成果を発表するスプリントプレゼンテーションを繰り返します。ミーティングがなければどれだけ休んでもいい代わりに、成果を明確に見せられないと評価に影響するので、みんな頑張ります。

-たくさんの部下がいますが、海外ならではの苦労はありますか?

佐伯:日本にいるころは、上司に与えられた業務をおとなしく引き受けることが多かったのですが、アメリカでは自分の意見を強く持つ人が多いので、部下に指示を出しても議論になることがよくあります。一方的でなく、お互いに意見を出し合って、最終的に進む方向を決めるやり方は、自分は良いと思っています。部下がきちんと納得してこそ良い仕事ができると思っているので、相手の話をじっくり聞いて、尊重しながらも自分の意見を共有し、話し合ってから結論に向かうようにしています。

-海外へ挑戦してよかったと思うことは?

佐伯:当初目標にしていた「学び」を達成できていることが良かった点です。また、OptiStructがとてもいい製品なので、OptiStructの成長を20年にわたり見てこられたのがよかったなと思います。

-余暇はどのように過ごしていますか?

佐伯:娘たちがバスケットをしているので、週末は試合を見に行ったり、一緒にトレーニングをしたりしています。自分も昔からバスケをしていて、アルテアでチームを組んで試合に出たりしています。アメリカ人は家庭を大事にするので、週末は家族優先で、練習も各自で行い、木曜の夜に集まって試合に出るという感じです。日本へ帰ったときも以前所属していたチームの練習に参加したり、飲みに行ったりしています。

– OptiStruct開発のSVPとして各国を訪問すると思います

佐伯:アルストムやルノーがあるフランス、LGやサムスンのある韓国などへよく行きます。どちらもそれぞれいいところですが、特に韓国の食べ物が好きで、BBQで肉そっちのけで副菜をつまみながら飲むのがいいですね。

-最後に、今後の目標を教えてください。

佐伯:製品開発の責任を与えられていますので、チームをよくするためにも開発を日々がんばりたいと思っています。

海外で働くことに興味のある人たちへ

佐伯:行きたいと思っているなら、ぜひ行くべきです。自分もそうでしたが、何かあっても何とかなると思うので。ただ、海外は日本と違うので、安全な場所を選ぶことだけ気をつけてください。自分は運良くアーバイン市の治安が良く、子育ても安全にできました。

コロナを経て、オンラインで海外の人たちと働く機会が増えたとはいえ、やっぱり現地で体験するのは全然違うと思います。

やりたいことに挑戦できる場所があるなら、躊躇せず、とりあえず行ってみて、嫌になったりうまくいかなければ、がんばらずに別のことをしてもいいのではないでしょうか?あんまり考えすぎず、とりあえずやってみましょう!

ただ、物価の高さは大変です。ラーメンを4人で食べに行ったら100ドル(1万5千円)以上します。日本に帰ると、円安も相まって、ラーメンを安く食べられてうれしいです。

 

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カテゴリー: アルテア課外活動

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