Neuber補正:可塑性を考慮した弾性応力の補正

世界が非線形であることは周知の事実です。設計への要求や開発競争の激化に伴い、現実世界の複雑な現象を正確に表現する必要性が高まっています。しかし、このような複雑な非線形挙動を捉えるためにシミュレーションを実行すると、数時間を要し、非常にコストがかかります。設計を最適化する際にはさらに長くなり、解決に数日かかる場合もあります。そのため、精度を落とさずに効率的かつ迅速な解決策を考えなくてはなりません。

Neuber補正(ノイバー補正)は、線形解析で構造物の塑性変形を評価できるため、本格的な非線形解析を行わなくても済むというメリットがあります。これは、複数の解析を行う必要がある設計開発段階で特に有効で、Neuber補正のアプローチは時間を大幅に節約し、全体的なワークフローを改善します。

ノイバー法は、弾性解析結果を補正して、局所的な塑性を捉えます。これは、塑性変形が発生したときに、弾性応力/ひずみを実際の応力/ひずみに変換するために使用されます。Neuber則を適用するには、弾性を仮定してノッチでの応力(KtS)を計算し、応力が材料の降伏点を超えたとき、実際の応力は材料の応力-歪み曲線上のどこかの点σになります。

図1:Neuber補正

図1:Neuber補正

 

Neuber則とは、弾性解の応力-ひずみ積が、現実の弾塑性解の応力-ひずみ積と等しいという仮定に基づくものです。数学的には次のように表されます。

KtSKte=σε

この方法は、部品が疲労負荷を受けたときの局所的な繰返し応力/ひずみを予測するために一般的に使用されていますが、静的な負荷ケースに対して局所的な塑性を簡単に拡張して取り込むことができ、計算時間の短縮や最適化に役立ちます。

簡単な例を図2に示します。このモデルは、航空機のランディングギアの一部です。

図2:ランディングギアモデル

図2:ランディングギアモデル

最大積載量での着陸を想定した耐久荷重ケースの1つについて、Neuber応力を評価しました。この荷重ケースでは、モデルを完全に拘束し、ボスの中心に垂直方向に1.5E6 Nの力を加えることで表現しました。

図3の結果は、3つの異なる解析手法を用いた場合のラグの応力の比較を示しています。Neuber補正を加えた線形解析で得られたNeuber応力のピーク値は340MPaで、本格的な非線形解析で得られた実応力のピーク値と非常によく一致しています。一方で、弾性応力は実応力と大きくずれています。このモデルでは、Neuber応力を捕捉するために線形解析を使用すると、本格的な非線形解析を実行するよりも3倍速くなります。

図3:応力結果(線形、Neuber、非線形

実際の応力を捕捉するには、本格的な非線形解析を実行するよりも、線形解析を実行するほうがはるかに高速で、最適化も可能になります。このモデルは、降伏点を超えた応力を局所的に狙って形状最適化を行うように設定されており、最適化の条件は、最小限の質量を加えた状態で、部品のNeuber応力を降伏点以下に抑えることです。

最適化の結果、Neuber応力は降伏点以下となり、質量を1%増加させることで達成され、実現可能な設計に収束しました。

図4:Neuber応力を降伏点以下に抑える最適化による形状変化

図4:Neuber応力を降伏点以下に抑える最適化による形状変化

以上見てきたように、線形解析とNeuber補正を実行して得られたNeuber応力は、局所的な塑性の正確な評価に使用でき、計算コストが低く、最適化を可能にする方法といえます。

Altair OptiStructには、本格的な非線形解析を行わなくてもNeuber応力を出力する機能があります。また、塑性を明示的に評価せずに摺動接触を伴う非線形解析を行った場合にも、この応力を出力できます。Neuber応力/ひずみは、最適化を行うためのレスポンス(制約/目的)としても使用できます。

OptiStructに興味をお持ちいただけましたら、ウェビナーや事例をご参照ください。

*本記事は、米国本社のブログ『Neuber Correction: Correcting Elastic Stresses for Plasticity』の投稿文を翻訳したものです。

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カテゴリー: Innovation Intelligence Global

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