学生フォーミュラ車両の新しいステアリングコラムマウント開発

Dresden_01.jpgImage courtesy of ELBFLORACE

MICHAEL SÜß氏はドイツにあるドレスデン工科大学 (Technische Universität Dresden)の研究員であり、現在、電子ビーム積層造形の設計ガイドラインに関するPh.D.に取り組んでいる一方、接着技術、材料科学、および製造技術の分野における欧州トップレベルの研究機関フラウンホーファーIFAMとも協力して研究を行なっています。

Süß氏が研究の一環で設計の助手を探している際、自身が学生時代に所属していたフォーミュラチームのことを思い出しました。「私は以前学生フォーミュラチームに所属していたので、今のドレスデン工科大学のフォーミュラチームに貢献したいと思いました。そこで、ドレスデン工科大学のELBFLORACE Electricフォーミュラチームに連絡し、現在プロジェクト論文を作成していて私の研究に協力してくれる生徒がいないか尋ねてみました。」これが、Süß氏とドレスデン工科大学の学生Lucas Hofman氏の出会いでした。

Süß氏とHofman氏は、現在の車両部品のうち、電子ビーム溶解法による製造に最も適しているものを検討し、最終的にステアリングコラムマウントを再製造することにしました。Hofman氏は次のように述べています。「現在のステアリングコラムマウントはそれぞれ異なる角度で交わる4つの部分で構成されているため、5軸自動切削機で製造することが非常に困難です。その解決策が、4つの異なる圧延アルミニウムを互いにボルトで結合して1つにまとめるという手法でした。アップライトなど、他の部品も積層造形で再製造する対象として検討しましたが、ステアリングコラムマウントが最大の性能向上と軽量化を達成できそうだと判断しました。」

 

設計プロセスにおけるsolidThinking Inspire

Süß氏は国際的見本市Euromoldで行なわれていたワークショップで、Hofman氏は大学の学生フォーミュラワークショップで、二人はそれぞれ違う方法でsolidThinking Inspireについて知る機会があり、ともにソフトウェアの使いやすさに感動しました。Süß氏は次のように述べています。「PolyNURBS機能は操作が簡単で、最適化の結果を基に、製造用の部品形状の作成が素早くできるので、とても気に入っています。これまでは最適化を用いた再設計には複数のリバースエンジニアリングツールが必要とされ、作業が困難でした。今はInspire1つですべてできます。」最適化やPolyNURBS機能だけでなく、Süß氏とHofman氏はInspireに統合されている解析ツールの有用性についても評価しています。

電子ビーム溶解法を使用して部品を製造する予定であったため、Süß氏とHofman氏は設計に大きな自由度があることを認識していました。「電子ビーム溶解法は設計上の制約がほとんどなく、他の製造法に比べて自由に設計できるという大きな利点があります。」とSüß氏は語ります。また、2人が持っているInspireの知識を持ち寄り、Inspireは部品の最適化だけでなく、その後の設計の微調整および製造前の形状データ作成を行う理想的なツールであると判断しました。Hofman氏はこう述べています。「Inspireで最適な材料レイアウトが決定でき、PolyNURBSツールを使えば部品の最適化結果から製造用のデータ作成をとても素早く行えます。この部品の改良プロセスは全体で5~7時間しかかかりませんでした。これは非常に短い時間です。」

ステアリングコラムマウント-元のアセンブリ部品元のアセンブリ部品

ステアリングコラムマウント-Inspireによる最適化結果

Inspireによる最適化結果

ステアリングコラムマウント-PolyNURBSで形状データを作成 (レンダリング画像)
PolyNURBSで形状データを作成(レンダリング画像)

 

Inspireの最適化結果に基づいたステアリングコラムマウントの再設計が完了し、次のステップは実物を製造することです。ELBFLORACE ElectricフォーミュラチームはフラウンホーファーIFAMと協力し、Arcam A2X電子ビーム溶解装置を使用して製造を行いました。Süß氏は次のように説明しています。「新しいステアリングコラムマウントにはチタン合金を使用し、製造時間は約29時間でした。電子ビーム溶解法は他の積層造形法ほど多くのサポート材を必要としないため、我々の用途には最適でした。後処理が完了すると、この部品の質量は330gとなる予定で、元の500gより35%軽くなります。Inspireがなければ、これだけの軽量化はできませんでした。最適化から最終製品に至るまでが非常に迅速で、InspireとそのPolyNURBSツールには感動しました。今後もInspireを使用し続けることは間違いありません。」

ステアリングコラムマウント-後処理前の新しいステアリングコラム
後処理前の新しいステアリングコラム
Image courtesy of Fraunhofer IFAM

 

 

今後

現在、新しいステアリングコラムマウントは後処理段階にあり、Süß氏とHofman氏はフォーミュラの車両への取り付けを楽しみに、完成を待ち望んでいます。今回の部品の軽量化と性能向上が非常に成功したため、二人はともにInspireの活用を今後増やしていきたいと考えています。Hofman氏はInspireを卒業論文にも使用する予定です。

 

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カテゴリー: 事例, 学生フォーミュラ

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