RapidMinerのセンター・オブ・エクセレンス

By Stephanie Buckner|最高執行責任者|2023年4月5日

「The art of the possible.(可能なことを実行する技術)」

使い古されたフレーズではありますが、私はこの言葉の響きとパワーが好きです。ひらめきやアイデアを実現させる人たちの姿を思い浮かべます。着実で確実な進歩ももちろん必要ですが、「アート(技術)」こそ、世の中で人々が無形の才能やスキルを表現するのに最適な方法だと思っています。アルテアも、ビジネス価値を生み出すものとして、世の中に「アート」を吹き込もうとしているのです。

RapidMinerを買収したとき、私たちはお客様を支援できる素晴らしい方法だと確信していました。RapidMinerのデータ分析ソフトウェアは耳にしたことがあるかもしれません(100万人以上が使用しています)が、センター・オブ・エクセレンス(CoE)の方法論は馴染みがないかもしれません。おかしな話かもしれませんが、私はRapidMinerのCoEは、データサイエンス技術よりももっとインパクトのあるものだと思います。結局のところ、ソフトウェアだけではなく、人がビジネスを変革するからです。

ハイパーデジタル化の現代において、企業がデジタルトランスフォーメーション(DX)という高い目標を実現するには、ソフトウェア、人材、プロセス、計画の組み合わせが必須です。そこで、CoEの出番です。その考えは、すべてお客様のビジネス価値に基づいています。

Altair RapidMiner CoEは、運転の練習のように反復プロセスで進められます。まず、ロードマップを確立し、運転免許証の取得のように、CoEのトレーニングに取り組みます。この段階では、お客様がハンドルを握りながらトレーニングと認定プログラムを学び、Altair RapidMinerプラットフォームでデータサイエンスを適切に適用できるようにサポートします。必要な場合には、私たちがすぐそばでサポートします。

次のフェーズでCoEは、Altair RapidMinerと一般的なデータ分析ソフトウェアの両方についての知識獲得を支援します。現実的に、組織に必要なデータサイエンティストを配置し専任チームを作ることは難しいですが、データサイエンスへのニーズは高まる一方です。その解決策は、今いる人材のスキルアップです。

ここでは、CoEプログラムの歴史、影響、そしてアルテアの一部としての未来について、詳しく見ていきましょう。

センター・オブ・エクセレンス(CoE)について

RapidMinerは様々な意味でパイオニア的存在でした。とくに、視覚的でアクセスしやすい「民主化されたデータサイエンスツール」というコンセプトは、データサイエンスを専門とする人がほとんどいなかった当時、非常に斬新なものでしたが、業界のブレイクスルーになったものの、大ブレイクとはなりませんでした。さらに、データサイエンス界の外、例えば建設業や製造業、金融業などの専門性を備えたデータサイエンティストはさらに少なく、RapidMinerはゲームチェンジングかつ主要な素晴らしいプラットフォームでしたが、次のような、今日でも見られるような大きな障害(フリクション)を乗り越えなければなりませんでした。

  • データサイエンスツールやプラットフォーム活用について、何から手をつければいいのかわからない
  • 一回限りのユースケースから、拡張することに苦労している
  • 個人やチームがデータサイエンスの中核となる原則とツールを十分に理解していない
  • 社内のデータサイエンス専任の専門家やリソースが不足している

つまり、最新のデータ分析プラットフォームを導入しても、ハンマーを手にしただけでは大工になれないのと同じように、組織として自立したデータのスペシャリストにはなれないということです。そして、このような課題を解決するために、RapidMinerのCoEは誕生しました。

CoEは、個人、チーム、組織に、アルテアのエキスパートとともにデータの原則、ツール、アプローチを理解し、実践する力を提供するものですが、単なるトレーニングではありません。データに関するバックグラウンドがなくても、基本的なデータ分析やデータサイエンスのスキル、テクニックを自分たちで活用できるところまでアップスキルするための、全体的かつ多面的で継続的な学習とサポートのアプローチです。

センター・オブ・エクセレンスのアプローチ

CoEとそのアプローチで私が気に入っているのは、ソフトウェアではなく、人と結果に重点を置いているところです。すべてのユーザーにとって民主化された、柔軟でアクセスしやすいデータ分析とデータサイエンスの環境を提供し、成功するソリューションを提供するというアルテアのビジョンと完全に合致しています。

CoEアプローチには、以下のようなものがあります:

  1. 人工知能(AI)のリスク軽減をサポートするポートフォリオアプローチを確立し、優先すべきROIを持つユースケースを特定する個別評価
  2. プラットフォームの導入をスムーズかつ迅速に行うためのデプロイメント支援
  3. 組織全体で個別のスキルアップを目指し、誰が理解しているか、誰がまだ支援を必要としているかを判断するのに役立つ無料テストの提供、イネーブルメントと認定プロセス
  4. アルテアのエキスパートと一緒にユースケースを製品化し、継続的な成功を保証する共同開発実装サポート
  5. 四半期に一度の共同評価で、既存プロジェクトの進捗状況と、今後のユースケースについての明確な目標とアクションアイテムを確認

CoEは、ユースケースを評価し、効率的かつ成功に導き、再現可能なものにするために必要なスキルを個人とチームに与えます。もっとも重要なことは、アルテアのチームがそばにいて、AIとデータの旅のリスクが回避できると感じること、必要に応じてシフトやフローができることです。

そして何より、データサイエンスが初めてのエンジニアや、データ駆動型の意思決定が初めての経営者など、個人とチームのレベルに合わせてCoEが幅広く対応できます。CoEによって、お客様がROIに基づき、目標とすべき適切なユースケースを設定できるようになり、さらにアルテアの専門家と一緒に、優先度の高いユースケースの開発と実装も可能です。

まとめ

データ分析に投資する絶好のタイミングはありません。データに基づいた意思決定を行うことは、これまで非常に少数の組織しか達成できなかった概念でしたが、今日のデータ中心の世界で成功するためのツールとスキルアップの環境をCoEによって提供でき、お客様の力がさらに高まることを期待しています。チームや組織が、世界トップクラスのツールや専門家に支えられながら、情報に基づいたデータサイエンスによる意思決定を行い、適切に実施することで、関わる全員がメリットを享受できるようになります。

お客様がCoEで何を実現されるのか、楽しみでなりません。詳しくは、https://rapidminer.com/methodology/ をご覧ください。

また、アルテアとRapidMinerのコラボレーションについては、以下の記事をご覧ください:

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カテゴリー: Altair Global Blog, Thought Leaders, データアナリティクス

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