拡張分析とは – 手の届くデータ分析

bigdata

この記事は、2020年5月8日に投稿された米国本社のブログ記事を翻訳したものです。

未来についてあれこれ予想する記事はたくさんありますが、今では、ビッグデータ、人工知能(AI)、機械学習(ML)、自然言語処理(NLP)などのバズワードもすっかり目新しいものではなくなってしまいました。今回取り上げる拡張分析(Augmented Analytics)は、それらのトレンドと異なるものではなく、近年の爆発的なデータ量の増加と新技術やツールの開発で増加しているギガバイト、テラバイト、さらにはペタバイト単位の情報を、自動で分析することを可能にする技術です。

拡張分析は、データ、科学、AIが融合して即時アクセス可能なリソースになるという理想的な未来像を示していますが、遠い未来とも言えません。現在、拡張分析は単なる一大ブームから、ビジネスにおける必須のツールへと移行しつつあります。これが未来に何をもたらすかだけではなく、分析で獲得したインサイトをいますぐ従業員の手に届けるにはどうすればよいかを考えてみましょう。

 

拡張分析とは

1960年代、ダグラス・エンゲルバートがコンピュータは単に計算をするだけでなく、人間の頭脳を拡張することができると考えたことから、拡張分析への動きが始まりました。その後、数十年の間に記述的分析が主流となり、ユーザーは過去の情報を照会してレポートを作成し、それを使いやすいグラフィカルなインターフェースやダッシュボードで見える化するようになりましたが、この方法はあくまで過去にさかのぼった分析です。私たちは過去ではなく、未来に目を向けた分析をしたいのです。

そこで登場したのが予測分析です。MLとAIは、複雑なコーディングアルゴリズムによって世界を一変させました。しかし、これらを操る優秀なデータサイエンティストは数が少なく、一部のエリートのみが活躍する業界になっています。マッキンゼーでは2024年までに米国だけで約25万人のデータサイエンティストが不足すると予測しています。私たちAltairは、決定木だけではなく戦略木も見ることで、数字を具体的なビジネスアクションやKPIと結びつけたいと考えていますが、それはデータサイエンティストや組織が本当に必要としているのは、データから「何」「なぜ」のコンテキストを知ることだからです。

あらゆる試行錯誤を繰り返して、ついにデータ分析の次のフロンティアである拡張分析にたどり着きました。ガートナー社では、拡張分析を「人々のデータ探索や分析方法を強化するために、データ準備、インサイトの生成、インサイトの説明をサポートする機械学習やAIなどを用いること」と呼んでいます。

 

拡張分析がもたらす価値

データ分析で欠かせないデータの取得と準備は、今でもその多くが手作業で行われているためエラーが発生しやすく、バイアスがかかりやすいプロセスです。データサイエンティストが全体の80%の時間をデータ準備に費やしているという調査結果は有名です。拡張分析にはAIコンポーネントが搭載されているため、データ準備、クレンジング、標準化などの手のかかるプロセスを根本的に簡素化、加速化し、データ準備後の重要な分析作業にすべてのエネルギーを集中できるようになります。

さらに、迅速に行われる必要があるデータの探索、特徴量エンジニアリング、特徴量の選択も、複雑なコーディングやスクリプトに取り組む必要はなくなり、拡張分析が自らデータを見て、貴重なインサイトを発掘することを可能にしました。また、まるでFacebookのように同僚がチームメンバーのデータラインに「いいね!」を押したり、シェアしたり、コメントしたりできるようになり、職場全体が最新のSNSに変わります。

データの民主化は、拡張分析の重要な要素のひとつです。2020年は、組織構造がかつてないほどフラットになり、意思決定やアイデアの創出があらゆる場所で行われるようになりました。分析ツールも同様に、オフィスの壁を取り払い企業内の誰もが簡単にアクセスできるような環境を整える必要があります。さらに、データサイエンティストには強力に、データアナリストには利用しやすく、シニアエグゼクティブには分かりやすいよう、コードフリーであると同時にコードフレンドリーである必要もあります。

最後に、今では広く語られているビッグデータの3つのV、すなわちボリューム(量)、ベロシティ(速度)、バラエティ(種類)は、分析手法を強化することで、より多くのデータソース(構造化、半構造化、非構造化)から、これまでにないリアルタイムのスピードでより多くのデータが送られてくるようになるでしょう。組織が成功を収めるためのこの次世代の分析モデルは、企業全体に拡張することで、より予測不可能な将来に備えることができます。

 

ガートナーの予測

2019年にガートナー社は、拡張分析を「アナリティクスの未来」とし、これらの導入を検討している組織に対して5つのアドバイスを提言しています。

  • テストと検証 ― パイロットプログラムを特定し、テストを行う
  • 役割を更新し、データリテラシーに投資する ― チームの教育とトレーニング
  • 企業内全体への拡大 ― ビジネスリーダーへの展開と教育
  • 専門家の反発とユーザーの誤解を緩和 ― 期待値を設定し、何ができて何ができないかを正直に説明
  • ベンダー評価 ― 拡張されたアナリティクスを使いこなすことができるサービスプロバイダーを選定

 

拡張分析の未来とは

最終的に、拡張アナリティクスによってすべてのビジネスがデータ駆動型になることで、もはや私たちはデータが何を意味するのかを考えて頭を悩ませることはなくなるでしょう。データが記録的な速さでインサイトを与えてくれるので、組織は自然と「何」と「なぜ」を結びつけられるのです。

ウェビナー「The Future of Augmented Analytics(英語)」では、今回取り上げた拡張分析の世界を深く掘り下げ、現代のビジネスにとってどのような意味を持つのかをご紹介しています。ぜひご覧ください。

 

>>Altairのデータ分析ソリューション

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カテゴリー: データアナリティクス

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