今年7月の世界の平均気温が観測史上最高になる「沸騰化の時代」、建物内の快適な(場合によっては寒すぎるほどの)空調は猛暑を逃れるオアシスです。一方で、昨今の世界情勢を受けた燃料費の高騰などにより、光熱費に頭を痛める方も多いのではないでしょうか?
熱中症へのリスクや業務効率を考えれば、人のいるエリアは仕方ありませんが、データセンターや倉庫などの無人エリアは節電したい、というのが管理者の本音かもしれません。
「BEMS(ベムス)/Building and Energy Management System(ビル・エネルギー管理システム)」という言葉を耳にしたことがありますか?BEMSにより、たとえばエリア別に空調を最適化する、ということも可能になります。
BEMSって何?
BEMSは、エネルギー使用状況の「見える化」や分析、自動制御など、全般的なエネルギーマネジメントを可能にするシステムで、特に業務用の建物を対象としています。BEMSによって、空調や照明などの設備機器によるエネルギー使用状況を見える化し、自動で制御することも可能になります。より効率的にエネルギーを利用することで、コスト削減や温室効果ガスの排出削減などのSDGsにもつなげることを目的とした仕組みです。
BEMSの仕組み
一般的に、BEMSは以下の3種類のサブシステムで構成されています。
①エネルギー管理共通基盤:有人感知や温度・湿度などのセンサーデータや、エネルギー機器の使用状況などのデータを収集・蓄積
②エネルギー情報システム:収集・蓄積したデータを見える化(可視化)して分析
③エネルギー制御システム:空調や照明などのエネルギー機器を最適に制御

出展:環境省資料 https://www.env.go.jp/council/06earth/y060-81/mat02-2.pdf
一見大掛かりで導入ハードルが高そうなシステムに見えますが、アルテアのソリューションで実現可能です。
アルテアソリューションを活用したBEMSのイメージ
① 各種センサーデータやエネルギー機器の使用状況データを、可視化・分析ができる形式に整理、整形(Altair Monarch)※自動化可能
② 成形されたデータをリアルタイム(ナノ秒単位)でパソコン(Webブラウザ)上で可視化。適切なグラフ化等により、現状把握が容易に(Altair Panopticon)
③-1 成形されたデータをAI・機械学習をもちいて分析することで、需要予測や最適制御のモデルを構築(Altair RapidMiner)
③-2 予測モデルに基づいて、エネルギー機器を自動制御(Altair Activate)
④ 構築した需要予測や最適制御のモデルをPanopticonに組み込み、パソコン(Webブラウザ)上で可視化、把握。緊急時など人による判断が必要な場合でも、判断が容易に(Panopticon)
BEMSにより、エネルギー使用の管理だけでなく、取得したデータをもとに自動的に最適化~制御までを実現することが期待されています。これまではこれらの管理、制御を人が行っていましたが、自動化によって人の工数を削減することで将来的に更なるコストダウンも可能になります。特にデータセンターやクリーンルーム、温度管理の必要な倉庫など、産業施設は最適化~制御の自動化の効果が大きいことから、さまざまな取り組みが始まっています。
BEMSの上手な運用によって、エリアごとに空調や照明を制御し、最適なエネルギー管理を行うことができ、コスト削減やSDGsへの貢献にもつながります。ご検討の際には、アルテアのソリューションもぜひご一考ください。
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参考ソリューション●
・Monarch:https://www.altairjp.co.jp/monarch/
・Panopticon:https://www.altairjp.co.jp/panopticon/
・RapidMiner:https://web.altair.com/ja/altair-acquires-rapidminer
・Activate: https://www.altairjp.co.jp/activate/
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