前回の記事「データ分析に欠かせない『データプレパレーション』の効率的な進め方とは?」では、データ活用における最大の難所、データ準備&データプレパレーションについて、効率的に進めるTipsをお話しました。
データ準備に特化したセルフサービス型データプレパレーションツールを使用することで、IT部門がデータをまとめてくれるまで待つことなく、ビジネスユーザーがいつでも自由にデータにアクセスし準備を行えるようになります。その一方で、誰でもアクセスができるがゆえ、重要な機密情報が誤って漏洩するリスクが高まる側面があることに不安を覚える方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そのようなセキュリティーや安全性を含めたデータガバナンスへの取り組みも、BIツールで強化することができます。今回は、データガバナンスの視点からBIツールを紹介します。
データガバナンスとは
ガバナンスとは、日本語で「統治」を意味する言葉で、コーポレートガバナンスやITガバナンスなど今では日常的に使用されるようになりました。デジタルトランスフォーメーション(DX)が推進される今日では、データを適切にマネジメントするための体制強化「データガバナンス」が求められるようになりました。データガバナンスとは、企業内のデータへのアクセス性、透明性、使いやすさ、信頼性、セキュリティーなどを含めた包括的な管理基盤を指します。データ分析を円滑に行い、ビジネスに活用できている日系企業はまだまだ多くありませんが、同じくデータガバナンスへの取り組みが十分行われている企業も少ないのではないでしょうか。
データ準備ツールを使用した環境整備もこのデータガバナンス強化の取り組みのひとつです。
BIツールに必要なガバナンス機能
セルフサービス型分析ソリューションを導入するメリットの1つは、様々なソースからのデータを迅速に結合および分析できる点にありますが、ガバナンス的には非常に悩ましい問題です。分析に使うデータの約半分は、取引システムから抽出したCSVやテキストデータ、個人のスプレッドシート、他社からのレポート、半構造化データなどであり、IT部門の管理が及ばないソースが起源となっているためです。そのため、バージョン管理、データ漏洩、突合、監査などに関する問題を避けては通れません。コンテンツリポジトリを構築して管轄外のデータを管理する他、以下のようなガバナンス機能が必要になります。(その他のデータ分析用語はこちら)
- データリテンション
一貫性を保つには最低でもドキュメントのバージョン管理が必須ですが、規制や業務上の要件を満たすには、ソースデータやドキュメントを永続化し、保管することも必要になります。 - データマスキング
データ漏洩の原因の大半は従業員によるものです。データディスカバリーツールは情報を集約して共有できる強力な手段ではありますが、元データが保護されていないことが多いだけでなく、社会保障番号などの個人を特定できる情報や、医療記録などのプライバシーに関わるデータ、あるいは営業秘密が含まれていることもしばしばです。
データ漏洩に関しては業界や各国政府においていくつもの規則が定められており、順守を怠った場合、漏洩インシデント1件につき多額の費用が生じ、個人や組織の法的責任が問われる事態にも発展しかねません。一方で、権限を持つユーザーがマスキングを自由に解除できる必要もあります。 - データ系列
元のソースデータをリポジトリに保管するなら、完全なデータ系列を確保し、ソースドキュメントのセルにまで遡れるようにしておく必要があります。この機能は、データの監査や突合に不可欠です。 - データキュレーション
使用頻度の高いデータソースや自動化した準備ルーチンは、ユーザーのロールに合わせて全社で共有することにより、重要な意思決定の基となるデータに信頼性と一貫性を持たせることができます。 - ロールベースのアクセス制御
処理済みのデータセットについては、ユーザーの権限に合わせて適切な部分のみが提供されるよう、アクセス権を設定する必要があります。 - 監査
現場では、監査ログと監査レポートの包括的な機能を備えたシステムが求められます。
Altair Monarchで実現する安全でストレスフリーな環境
セルフサービスを使用する最大の目的は、ビジネスユーザーが簡単に、かつ素早くデータを分析できるようにするためです。ガバナンスの強化は必要ですが、データプレパレーションで扱うデータの大半がCSVの抽出データやPDF形式のレポート、社外からのデータであることを踏まえたうえで、ストレスフリーなガバナンスを実現しなければなりません。
データ準備に特化したプレパレーションツールであるAltair Monarchを使用すれば、必要なガバナンス機能を整備、強化できるだけでなく、作業工数を大幅に削減できデータ分析や意思決定など、時間をかけるべき業務に集中することができます。
Monarchで取り組むデータガバナンスについては、セルフサービス型データプレパレーションの手引きに詳しく掲載しています。
また、現在、30日間の試用版を無償で提供しています。この機会にぜひお試しください。
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カテゴリー: データアナリティクス