3月7日、8日にFabCafe Tokyo(渋谷)でAltair SimSolidのワークショップ「SimSolid – Design and Engineering Workshop Tokyo 2019」が開催されました。Altairは当イベントのスポンサーであり、当日は見学を兼ねて運営のお手伝いに伺いました。
会場の様子
参加者のほとんどは建築学を専攻する学生であり、会社員の方も数名いらっしゃいましたが基本的にはCAEの初心者にSimSolidを使用していただく形になりました。
講師にはジェレフ・アタナス様(ザハ・ハディド/インスブルク大学 講師)、マリア・コロロバ様(ザハ・ハディド/インスブルク大学 講師)、アイリー・ズーハク様(ウィーン工科大学 非常勤講師)がウィーンから招聘され、構造解析の手法とデザインへの応用について講義しました。また、主催者である明治大学准教授 廣瀬様がモデレーターを努め、ワークショップでは2日間にわたって実習とプレゼンテーションが実施されました。
(左から)廣瀬様、アタナス様、コロロバ様、ズーハク様
題材は8本の柱(4本1対)に支えられた「屋根」です。自由な形状とその組み合わせをデザインに適用し、なおかつ、十分な強度を保つために屋根自身の自重、吹き上げる風から受ける荷重、柱や梁との接合部といった条件を考慮する必要があります。
参加者は発想をもとに形状モデリングと解析を何度も繰り返し、デザインを練り上げていきます。意匠設計に機能の検討・確認が組み込まれており、SimSolidの強みを活かしたデザインフローでした。
DAY1 | オリエンテーションと実習
ワークショップは今回必要となる構造解析の基礎知識と、基本的な操作方法を伝えるオリエンテーションから始まります。アタナス様にH型鋼を重ねた形状を例に、SimSolid最大の特長である簡単/短時間の解析を実演で紹介していただきました。その後、ズーハク様によるモデリングの講義と実習を経て各自のデザイン作業に入り、1日目は終了です。
DAY2 | プレゼンテーション
前日から引き続き解析と設計の時間がありましたが、私は15:00からのプレゼンテーションのみを見学しました。参加者の皆様はギリギリまでデザイン修正や資料作成に勤しんでいました。アタナス様による自身が手掛けてきた建築の事例紹介と、コロロバ様から開発中の複合材とその活用に関する発表があり、いよいよ参加者による作品発表です。
講師陣による発表(会場は1階のカフェスペース)
参加者によるプレゼンテーション
参加者は最終設計に至った経緯と解析の結果を解説し、講師陣からフィードバックを受けます。発想をデザインに昇華させるまでのアプローチにそれぞれ独自のコンセプトがあり、作品はもちろん、プレゼンテーション自体も興味深い内容でした。
大胆に曲面を使ったデザインが多く、それでも構造的に一定の強度が保たれていることに少し驚きました。SimSolidの使いやすさと解析スピードが設計の自由性に少なからず寄与していると思います。建築設計の現場でメッシュレス構造解析がどのように活かされているのか、その一端を実際に見ることのできる貴重な体験となりました。
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