みなさん、AIときいてどういうモノを思い浮かべますか?多くの方は、SFに出てくるような、自分で思考する能力をもった何かを想像するのではないでしょうか?しかし、現在の世の中にあふれているAIはもっと簡単なモノです。どういうモノかと言うと、“機械学習による予測を何かしらのサービスに利用したモノ”です。
ということで、今回はAIで官能検査をしてみました。「AIなんて難しくない!」「官能評価(人の感覚の評価)は機械学習でお手の物」ということをお伝えします。
①データ収集:おとなしいイメージはどれ?
題材は弊社のロゴマークにしました。アルテアのロゴは、技術力、開放的な心構え、人間的、活発、といったイメージをもたれるように設計されています。そこで今回は、真逆のイメージとなる、芸術的で、一匹オオカミで、無機質で、おとなしいイメージのロゴを機械学習で作りたいと思います。
明るさと3個の寸法を変化させた20個のイメージを用意し、これらのうち、どれがもっとも芸術的に、一匹狼的に、無機質に、おとなしく感じるか、アルテア社員にアンケートを取りました。この投票パーセントをそのまま各評価値のスコアとします。(どの寸法をどう変えたというのは、秘密です)

20個の異なるイメージを用意

社内アンケートの結果
これを下の図のように数値データとしてcsvにさえしてしまえば、Altair Knowledge Studioの出番です。

アンケート結果をスコアとしてCSV化
②予測モデルを作成し、誰もが“おとなしい”と感じるイメージを作り出す
Altair Knowledge Studio Workstationで、官能スコアからロゴの変数を予測するDeep Learningモデルを作ります。

予測モデルの作成
予測モデルに、実現したい官能スコアを与えます。100%誰もが芸術的で一匹狼な無機質でおとなしいと感じることを目指します。

実現したい官能スコア

Knowledge Studioの設定
こうして生まれたイメージがこちらです。
③再びアンケートを取って確認:どのように感じますか?
このロゴをアルテア社員に再び(*1)どのように感じるかアンケートを取ったところ、芸術的は失敗、一匹狼は五分五分でしたが、無機質とおとなしいに関しては、狙い通りの結果を得ることができました。

機械学習で創出された“芸術的で一匹狼な無機質でおとなしい”イメージの人間による評価
(*1) 実際にはいろいろ失敗もあって、何回もアンケートを取りました。社員の皆さまありがとうございました。
今回はロゴの創出という課題を通して、“機械学習を何かに使えばそれがAI。だからAIなんて簡単”ということをお伝えしました。また、人間の感覚といったシミュレーションではどうにもならない官能評価も、機械学習を使えばうまく扱えることを示せたと思います。
似たようなことに挑戦したい方は、是非、お問い合わせください。
カテゴリー: データアナリティクス, 簡単!機械学習