CAE結果を用いたサロゲートモデル構築を機械学習で効率化する方法

サロゲートモデルとは

サロゲートモデルは代理モデルとも呼ばれ、数値シミュレーション(CAE)の代わりにニューラルネットワークなどの機械学習を活用して現象を計算・予測する手法のことです。

CAEは、物理現象をコンピュータ上でシミュレーション(仮想空間で試験を実施)することで、製品開発における試作を減らし、効率化およびコスト削減を図る設計手法ですが、分野によっては非常に複雑かつ高精度になり莫大な計算時間がかかるようになっています。これを解決するための新たな手法として、サロゲートモデルの活用が始まりました。

AIにCAE結果を学習させサロゲートモデルを構築すれば、CAE計算の工程を省け、複雑なメッシング・条件設定を一から実行する必要もなくなり、処理時間を短縮できます。CAEでは数日~数週間かかっていた解析時間が、わずか一秒以下にまで短縮する場合もあります。また、CADモデルが存在しない設計上流での性能の当たり付けにサロゲートモデルを用いたり、1D(システム)シミュレーションに統合することで、システム全体の性能をリアルタイムに予測するといった活用も可能です。

サロゲートモデル

 

サロゲートモデルを構築する

サロゲートモデルを現場で運用するには、モデルから導き出される予測が実際に設計で使えるような精度の高いものでなければなりません。

 

  • ニューラルネットワーク、ランダムフォレスト、線形回帰など、多数の機械学習予測モデルの中からどれを使うのが最適なのか
  • 膨大な数のパラメーター(入力変数)で、どれを使用すれば分析結果の精度を高められるのか
  • 学習データ内の外れ値や欠損値をどの程度修正、除去するのか

 

これらの微調整を繰り返し最適化していくことで予測精度を上げていきます。この調整は、やみくもにパラメータを増やしたり、予測にあまり関係のない変数を入力したり、学習データにこだわり過学習させると逆に精度が低くなるなど、専門性が問われる運用前の最も高いハードルと言えます。

 

自動で最適なサロゲートモデルを構築する

この精度向上に役立つのが自動で機械学習モデルを構築できるAutoML(自動化された機械学習)ツールです。目的変数を設定すれば、複数のアルゴリズムやパラメータの中から最適なものを自動で選択し、最適化やモデルの評価も行ったうえで精度が最も高いモデルを出力します。これからサロゲートモデルを構築される方だけでなく、既存のモデルの精度向上に取り組まれている方にとっても更なる効率化を図ることができます。

AutoMLとは

 

参考:日産自動車様での機械学習ツールを活用したサロゲートモデル構築の事例がニュースになりました
「日産 アルテアの機械学習ソリューション活用 高い衝突安全性追求へ サロゲートモデルを構築」

日産自動車様では、衝突安全の法規・情報公開試験の1つである、歩行者の脚部を模擬した脚部インパクター試験で評価される傷害値の予測モデル(サロゲートモデル)の精度向上に、予測分析・機械学習ソリューションであるAltair Knowledge Studioを活用。機械学習アルゴリズムやハイパーパラメーター(機械学習アルゴリズムの細かな挙動を制御)を最適化することで、開発の効率化とサロゲートモデルの精度向上を実現されています。

 

参考:デサント様による活用事例
「デサント、競輪用ウェア提案システムにアルテアの予測分析プラットフォームを採用~機械学習を活用して、各選手の最適なサイズと生地を自動的に出力~」

デサント様の競技用ウェア提案システムは、Altair Knowledge Studioが風洞試験データと選手の体形データを学習して作成した機械学習モデルがベースになっています。選手の体形データ、性別、競輪種目を入力すると、各選手に最適なウェアのサイズと生地(スキンスーツ)が自動で出力されます。

サロゲートモデル

 

アルテアでは、月に一度サロゲートモデル構築のための無料ハンズオントレーニングを実施しています。ご興味をお持ちの方はお気軽にご登録ください。

「実践的な機械学習を学びたい方に!基礎から演習まで、初心者のための機械学習入門講座 ~CAE結果を用いたサロゲートモデルの構築~」

 

以下のウェビナー動画では、機械学習の基礎や使い方をご覧いただけます。

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カテゴリー: データアナリティクス

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