解析よもやま話 【第20回:学生フォーミュラマシンのさらなる軽量化】

アルテアの中川です。

今回は学生フォーミュラの方々向けに特化した内容です。

ほんの1か月前に学生フォーミュラの大会が行われたばかりなのですが、次年度のマシンの設計にはもう取り掛からなくてはならない時期、ということで、皆さん色々と斬新なアイデアを考えているところかと思います。我々も少しでもその助けになれば、ということで先週金曜日にInspireのトレーニングを東京オフィスで開催しました。先日の大会の応援に行った時に感じたのは、Inspireはすでにかなりの数のチームで活用されているな、ということです。アップライト、ベルクランク、ペダルといったところが代表的な部品で、直観では思いつかないような形状になっているのがとても興味深く感じられました。すぐに効果が出ますのでまずはこういう部品から始めるのが良いかと思います。しかし、使い慣れてきたらぜひ大物部品であるフレームにも展開していただきたい、と感じています。フレーム構造の最適化は、

・トポロジー最適化でパイプの配置を検討

・検討結果に基づいて骨組みモデルを作成し、各パイプの寸法を検討

という2ステップが本来必要ですが、トポロジー最適化だけでも今まで思いつかなかったパイプ配置が現れてきて参考になることは間違いありません。また、荷重条件を決めるのが難しいと感じられるかと思いますが、今年のマシンのフレームがある程度満足できる性能であれば、そのフレームのモデルに種々の荷重条件を加えた解析を行って、トポロジー最適化では全ての荷重条件で今年のモデルで得られた変形量以下となるよう設定することで、以前と同レベルの性能で軽量なフレーム構造を見出すことができます。ある性能(例えばねじり剛性)を上げたいのであれば、その荷重条件での変形量を厳しめに設定すれば良いのです。先週金曜日のInspireトレーニングで講師のピエトロがお見せしたフレームのトポロジー最適化結果をご覧ください。

yomoyama20_frame

Inspireのトレーニングは引き続き名古屋と大阪でも開催されます。アルテアはこれからも学生フォーミュラの支援を継続していきますので、困ったときや疑問が生じたときなどには遠慮なくお問い合わせください。

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カテゴリー: 学生フォーミュラ, 解析よもやま話

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