ソーラーカーレース鈴鹿 2019レポート

ソーラーカーレース鈴鹿 2019レポート

今年も、ソーラーカーレース鈴鹿 20192019 Ene-1 Challengeにスポンサーとして参加してきました。今年はトラブルが多かったようですが、ドライバーの皆様に大きなけががなかったことにまずは安堵しています。ソーラーカーレース鈴鹿ではまれなクラッシュ事故や、大逆転劇など、ドラマチックな3日間を、今年も素人目線でレポートしたいと思います。
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波乱の幕開け – 名古屋工業大学のトラブル

色々なドラマを生んだ今年のレースは、初日のフリー走行から、昨年総合3位、オリンピアクラスで優勝した名古屋工業大学が走行すらできないという波乱のスタートとなりました。

ソーラーカーレースの日程は、初日に車検やフリー走行があり、2日目に決勝レースが行われます。フリー走行の1 LAPのタイム順で決勝のスターティングポジションが決まるため、フリー走行はベストタイムを出すことに注力する一方、耐久レースとなる決勝では途中でエネルギー不足やトラブルを起こさないことも重要です。

翌日の決勝に出場できないのではないかと心配したのですが、嘆願書を出して再車検を受けることで何とか決勝レースへの出場権は確保できたようです。今年は2年に一度のBridgestone World Solar Challenge(BWSC、ブリヂストン・ワールドソーラーチャレンジ)が開催される年でもあり、新車両の開発やこのレースに向けた準備と並行しての鈴鹿出場となったため、調整には非常に苦労したことと思います。

BWSC 2019に出場する名古屋工業大学の新型車両

まさかの大逆転劇 – 4時間耐久レース

2日目の決勝レースは、午前はエントリークラスに当たるエンジョイクラスの4時間耐久レースが、午後にはオリンピア、ドリーム、チャレンジクラスの5時間耐久レースが行われます。前日より少しだけ雲があり過ごしやすく感じますが、ソーラーパネルにとっては少しの雲もマイナス要素となり、レース運びに影響を及ぼすことになりました。

エンジョイクラスでは前年1位のオリンパスRSと2位の平塚工科高校社会部が激しい首位争いを繰り広げました。今年から、ドライバーの安全のために同じドライバーが継続して2時間以上走行してはいけない(正確には2時間経過後にコントロールラインを越えてはいけない)というルールが作られたため、少しでもピットイン回数を減らそうと、特に4時間耐久の場合はピットイン、ドライバーチェンジのタイミングにも駆け引きが見られました。

結果としては、レース全体で不動の首位争いを繰り広げた平塚工科高校社会部とオリンパスRSを、残り時間7分を切ったところで、ノーマークだったJAGつくばソーラーカーチームが突然刺客のように現れて華麗に抜き去り優勝という、実況も解説も驚愕、「うさぎとかめ」をも超えるまさかの大逆転劇となりました。

5時間耐久レース

午後の5時間耐久は3クラスが同時に競いますが、スターティンググリッドは1位がTEAM RED ZONE、2位が大阪産業大学という、昨年の総合1位、2位というお馴染みの顔合わせ。4時間耐久と同じく社会人クラブチームと学生の対決という構図になりました。単純に考えれば毎年メンバーが入れ替わる学生の方が、知識や経験を蓄積していける社会人チームより不利だと考えられますが、やはり今年も連覇のTEAM RED ZONEには敵わないのでしょうか?大阪産業大学には、今年も全日本F3選手権でも戦うプロドライバー三浦愛選手が乗り、優勝を目指します。3番手スタートの静岡ソーラーカークラブには、BWSCでも活躍するSidd Bikkannavar氏が乗るので、そちらからも目が離せません。また、名古屋工業大学がどこまで巻き返せるのかも気になるところです。(余談ですが、SiddはAltairのボールペンを愛用してくれていて世界中に持っていくそうです)

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Altairのブースを訪ねてくれた大阪産業大学チームの三浦愛・純選手と田村様

あわや接触事故 – Siddのドライビングアドバイス

スタート直後、まずは大阪産業大学の三浦愛ドライバーが先頭に飛び出します。その後、TEAM RED ZONE、大阪産業大学を先頭にレースが進む中、柏会が21位から7位まで猛烈に追い上げます。そのアグレッシブな走りでヘアピンカーブに入ったところでスピンして横転。すぐ後ろを走っていた静岡ソーラーカークラブとあわや接触の場面で、Siddがさすがのテクニックでかわします。後でSiddに聞いたところ、静岡ソーラーカークラブもすでにカーブに入っていて、前車を避けようとハンドルを切ったりブレーキを踏んだりすれば大事故につながる危険があったため、ブレーキを踏むことなくかわしたのだそうです。通常の運転でも、カーブに入る前には十分に減速し、カーブ内ではできるだけフットブレーキを踏まない方が安全で、カーブで事故を起こしそうになった時にはパニックを起こさず、ハンドルを切ったりフットブレーキを強く踏み込んだりしないことが大切だとアドバイスしてくれました。果たして私はそんな場面でこのアドバイスを思い出せるか分かりませんが、心に留めておこうと思います。

Altairボールペンを愛用してくれているSiddと
ソーラーカーレース鈴鹿初の衝突事故 – フラッグに注意

レース自体は、TEAM RED ZONEと大阪産業大学がお互いに大きなトラブルもミスもなく時々首位を交代しながらの安定の争いを見せ、TEAM RED ZONEの兄弟チームともいえるTHE BLUE STARSと静岡ソーラーカークラブの4番手争いもありました。その後デグナーカーブのふたつ目でスピンしたTHE BLUE STARSにCabreoが突っ込むという、ソーラーカーレース鈴鹿では初となるクラッシュ事故が発生してしまいました。

何度かひやりとする場面があったこともあって、実況がフラッグの種類について説明してくれました。

黄色:イエローフラッグ。この先に危険な状況(事故車両、落下物など)があります。危険ですからこの区間は減速して安全走行してください。攻めて走ってはいけません。追い越しは危険行為とみなされ、ピットストップ30秒などのペナルティが課せられます。

:普通の速度に戻っていいですよ。

水色:後ろからあなたより速いクルマが来ているから道を譲ってください。

:レースを中断します。

黒地にオレンジの丸:オレンジボール、オレンジディスク。あなたの車両は故障しています。他の人に危険なのでピットに入って修理しなさい。オフィシャルが故障を確認した場合に出されます。

黄色と赤のストライプ:オイルフラッグ。この先にオイル、砂利など落下物があって滑りやすいので気を付けてください。危険を知らせるためのもので、ペナルティはありません。

白黒チェック:チェッカーフラッグ。あなたはゴールしましたよ。レース終了を知らせます。

実際、このレース中にイエローフラッグが出た際に追い越しをしたためペナルティを課されたチームがありました。

チャレンジ精神が好き – 愛知工科大学

今大会で私が興味を惹かれたのは久しぶりの参加となった愛知工科大学です。昨年出場していた愛知工業大学と似ていますが別の大学です。「せっかく出るならオリンピアクラスに!」とチャレンジ精神にあふれた学生が作る少数精鋭のチームです。今年は市販のボディを使った、かわいらしい目のついた特徴的なクルマでの出場でしたが、周囲のハイレベルのマシンを見て、次回は新しい形を作りたいという思いもあるようです。入念に準備して出場するというのがもちろん理想的ですが、個人的にはこの思い切って飛び込んでいく感じが好きです。学生ですから、どんどんチャレンジしてほしいと思います。シミュレーションにも興味をお持ちのようですから、今後アルテアの活動支援をご利用いただけたらと思っています。

Blog_Suzuka2019_AUT

ソーラーカーレースの始祖ハンスさん

また、今回のレースにはWorld Solar Challengeの創設者Jeppe Tholstrup(通称ハンスさん)が静岡ソーラーカークラブのピットにいらしてました。1981年に世界で初めてソーラーカーでオーストラリア大陸横断(約5000km)に成功した他、数々の世界記録を持つ冒険家でもあり、日本にソーラーカーレースをもたらした人でもあります。日本ソーラーカー界のレジェンド池上敦哉さんも、ハンスさんとの出会いがなければソーラーカーにこれほど深くかかわっていなかったかもしれないとおっしゃるほどの方ですが、とても気さくに含蓄のあるお話をしてくださいました。日本の武士道をこよなく愛していて、環境問題に様々なアプローチで取り組んでいらっしゃいます。お勧めの1冊は「君主論」だそうです。

Blog_Suzuka2019_jeppe

レースは、中盤で大阪産業大学の前に出たTEAM RED ZONEが、タイヤに不安を抱えながら最終LAP直前にセプター最速タイムをマークするという、圧倒的な強さを見せつけての優勝となりました。序盤までレースを先導した大阪産業大学は2位。神奈川工業大学のKAITが3位に入るという結果になりました。

速くてスマホでは撮影が難しかった連覇のTEAM RED ZONE

アルテアのロゴを乗せて走った名古屋工業大学は度重なるトラブルに見舞われ、総合14位オリンピアクラス7位という結果でした。日本国内で期待されているチームですから、オーストラリアでのリベンジに期待したいところです。

2年目の所感とお知らせ

スポンサーとしてブースを出して2年目になりますが、昨年に比べシミュレーションに興味を持つチームが増えていると感じました。興味はあるけど予算がない、難しそう、教えてくれる人がいない、というのが二の足を踏んでいる理由の上位を占めていますが、

予算がない → Altair Student Editionは全学生無料

難しそう → 難しいソフトもありますが、軽量化空力向けの簡単なソフトもあります

教えてくれる人がいない → 未経験でも大丈夫な学生向け無料セミナーや、メールでのサポート、eブックなどの教材もあります

と、アルテアなら解決できます。社会人になってからも役立つソフトウェアを学生のうちから習得できるチャンスです。

学生・教員のためのアカデミックプログラム


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参加無料(事前登録制) 2019年11月9日(土)

アルテアエンジニアリング株式会社トレーニングルーム
(東京・名古屋・大阪、ウェブ)

vwt_image_2<午前>
モデリングからはじめる

<午後>
空力をシミュレーション
最適化でより軽いクルマを目指す

<講習後>懇親会

*お好きなセッションを選んで参加いただけます。

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カテゴリー: 学生支援

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