HyperWorksを用いた工学院大学ソーラーカーの製作(5)安全性の証明

Kogakuin-BWSC2017_Wing06

昨年末、NHKの「超絶 凄ワザ!」でも取り上げられ、2017年10月にオーストラリアで開催されたBridgestone World Solar Challengeで、悪天候のために半数以上がリタイアする中、工学院大学ソーラーチームは見事7位の成績を収めました。斬新なソーラーカー“Wing”の開発になぜ、どのようにHyperWorksが用いられたのか、詳しく紹介します。

8. 安全性の証明

羽の積層ではUD材を用いた補強を行いましたが、シャシはドライバーシート、ホイールハウスなどを構造体の一部とすることで、高い剛性を保ちつつ最小限のスペースに収める構成にしました。

工学院大学ソーラーカーWingの衝突時の安全証明

図8 衝突時の安全証明

ドライバーの安全は、最優先に確保する必要があります。モノコックフレームの構造体に対してドライバーを守る空間を搭乗者セルと定義して、衝突時の変形がドライバー空間内に侵入しない設計を行いました。

工学院大学ソーラーカーWingの衝突解析

図9 解析結果(正面衝突)

工学院大学ソーラーカーWingの衝突解析

図10 解析結果(側面衝突)

工学院大学ソーラーカーWingの衝突解析

図11 解析結果(上面衝突)

側面衝突では左右のホイールハウスがモノコックの板材を変形するのを支える形状になっています。 計画した積層構成であれば衝突に対しては十分な強度、剛性を確保できたと言えます。

設計をするにあたって最も剛性が心配された羽でしたが、解析によって最適な箇所をUD材で補強したことで、結果的には最も変位の少ない結果となりました。この積層構成であればあらゆる方向からの衝突に対して十分な強度、剛性を確保できており、ドライバーに危険を及ぼすことのない安全な車両であることが証明できました。

工学院大学ソーラーカーWingのモノコックフレーム

図12 モノコックフレーム(ホワイトボデー)

最終的に完成したモノコックフレームが図12です。

次回は、「CFRPボデー製作」について解説します。

フラッター現象の解析 <<  >>  CFRPボデー製作

アルテアエンジニアリングの学生向け活動支援について

アルテアは、学生フォーミュラ、ソーラーカーレース、シェルエコマラソンなどに出場するチームに対し、設計・CAE環境であるHyperWorks(ハイパーワークス)のライセンスおよび技術サポートを無償で提供しています。学生の皆様に設計段階でのシミュレーション活用の有効性を実感していただき、将来社会人になられてからもシミュレーション主導による製品開発プロセスを推進されることで、日本の製造業の力をより一層高めていく一助となることを目指しています。

アルテアの学生活動支援

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カテゴリー: 事例, 学生支援

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