2019年9月10日(火)、11日(水)の2日間、TKPガーデンシティ品川にて、2年ぶりの大規模なユーザー会「Altairテクノロジーカンファレンス(ATC)」を開催しました。今年は参加者数が大幅にアップし、2日間でのべ950名以上の方が来場され、80以上の講演が行われました。ATCは、日本に先立ち、インド、中国、台湾、KLで開催され、10月にアメリカ・デトロイトでも開催されます。世界中のお客様がアルテアのテクノロジーを利用して行っている開発事例を共有し、技術力やネットワーキングの向上を支えるイベントです。
ATCのまじめな開催報告です。運営側の舞台裏は別記事をご覧ください。
JAXA、トヨタ、中央大学、NTTデータ経営研究所、、1日目の充実の基調講演
代表取締役社長綾目のご挨拶、来日したCTOからのコーポレートビジョンの発表に続き、はじめに登壇されたのはJAXAの早川基様です。早川様はJAXAの教授を務め、惑星電磁圏におけるプラズマダイナミクスを専門に研究されています。これまで、極域探査衛星「あけぼの」、磁気圏探査衛星「GEOTAIL」、火星探査機「のぞみ」の開発に関わられ、現在は日欧協力による水星探査機BepiColomboプロジェクトの日本側責任者を兼任されています。ATCでは、未知の惑星水星について、また、前例のない設計・開発への挑戦や苦難の克服などものづくりにおけるテーマを、宇宙開発の最先端のテクノロジーと交えてお話いただきました。とても興味深かった、面白かった、(専門外分野の講演だったので)視野が広がった、などのご感想のほか、「宇宙環境ならではの課題が、普段行っている業務の前提を改めて考える機会となった」などのコメントが寄せられ、来場者の方に刺激ときっかけを与えていただきました。
国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構 早川 基 様
スポンサー様によるランチセッションを挟み、次に登壇されたのはトヨタ自動車の岩野様と安達様です。トヨタ自動車様は、2017年、Enlighten Awardを受賞されました。Enlighten Awardは、車両の軽量化における業績を表彰するアワードプログラムで、アルテアと米国のCenter of Automotive Researchが共催しています。完成車の他、部品や開発手法、素材なども部門別にエントリー可能で、アルテアは審査に関与せず、弊社ソフトウェアの使用も問いません。来年はぜひ、皆様からのご応募お待ちしています。講演では、受賞されたLexus LC500のサイドドアや、プリウスPHVのバックドア等に関するCFRPを取り入れた軽量化やデザインについてお話しいただきました。
トヨタ自動車株式会社 岩野 吉宏 様
弊社のソルバーに関する最新情報の講演の後、登壇されたのは中央大学理工学部長・理事、樫山教授です。樫山教授は、日本計算工学会会長、国際計算力学協会理事を歴任されているほか、ご自身は計算力学、土木情報科学の専門家で、大規模 環境・防災シミュレーション研究の第一人者です。「防災・環境シミュレーションにおけるVR・ARの活用」と題し、ご講演いただき、身近な騒音をARで再現する技術は参加者の方から大いに参考になったとコメントいただきました。
中央大学 樫山 和男 様
基調講演として最後に登壇されたのは、NTTデータ経営研究所の大林様です。「これからのモビリティ – デジタルテクノロジーが切り拓く進化と多様化」と題して発表され、自動化モビリティから自在化モビリティが台頭する未来がくるものの、世界中で日本だけがテクノロジー鎖国になっている危機感を共有いただきました。ものづくりに携わる弊社も自在化モビリティが実現されていく未来のほうへ協力していきたいものです。
株式会社NTTデータ経営研究所 大林 勇人 様
パネルディスカッション「AIと機械学習とCAE」
パネルディスカッション「AIと機械学習とCAE」
毎年大人気の懇親会
300名近くが参加した懇親会は、毎年抽選会が人気です。今年はスポンサー企業のミズノ様、富士通様、SCSK様、NEC様、UEL様、マグナ・インターナショナル・ジャパン様にも景品を提供いただき、多くの方が当選されました。アルテアからの景品GoProを獲得された方は、来月の新婚旅行に持っていきます!とのことです。
スポンサー様による抽選会
大盛況のユーザー講演
2日目は、プリポスト、モデル管理、最適化、振動騒音、生産技術、機構・モデルベース開発、HPC、CFD、電磁界、IoT、EV、造船などのトピックで7部屋同時進行の講演会です。とくに多くの方が聴講されている印象だったのは、日野自動車様のAltair SimSolidに関する発表でした。こちらは講演資料の公開はございませんが、後日インタビュー記事を掲載予定です。また、新製品Altair HyperLifeのご紹介も立ち見が出るほど多くの方にご覧いただきました。別室で開催していたSimSolid体験会も予約で埋まり、全体を通して活気を感じていただけたのではないかと思います。
「他のCAEベンダーのユーザー会が縮小されていく中、規模内容ともに充実している」とのコメントがアンケートにありました。正直、コストもリソースもかかる大変なイベントですが、こうした取り組みがアルテアのビジョンや文化の共有、お客様との信頼関係構築、より良い製品開発の促進に繋がると信じ、社員全員で頑張っています。
ATCが、参加された皆様にとって、今後の業務に役立つアイディアを持ち帰り、ネットワークを築き、新たな展望が生まれるきっかけとなりましたら大変幸いです。
今後ともアルテアエンジニアリングをよろしくお願いいたします。
カテゴリー: イベント