Thought Leader Thursday: CAEとFEAは同じなのか?

Thought Leader Thursday: CAEとFEAは同じなのか?

*本記事は、米国本社のブログ『Innovation Intelligence』の投稿文を翻訳したものです。
*『Thought Leader Thursday』は、Altairの各分野のリーダーが毎週木曜日に『Innovation Intelligence』に投稿している、記事シリーズです。

 

工学の分野ではよく、CAE(コンピュータ支援エンジニアリング)とFEA(有限要素解析)はほとんど同じ意味で使われています。CAE業界の市場レポートは一般的に、計算流体力学(CFD)やマルチボディダイナミクス(MBD)ソフトウェアを含む、FEAソフトウェアを提供する企業を分析対象としていますし、通常CAEと言えば、形状を小さな”塊”に離散化し、大きなパーツ、要素、またはシステムの性能を予測する高度な計算を実行するソフトウェアを意味しています。

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ほとんどの産業において、FEA、CFDまたはMBDに依存しない応力解析にコンピュータが使用されており、これらの解析は、“手計算”または、応力、たわみ、座屈、安定性、および振動応答を予測するために確立された解析用の定式を応力ツールとしています。飛行機、ヘリコプター、橋、建造物、船舶のエンジニアリングは、構造性能の評価をこの手計算に依存しており、FEAが使われることはほとんどありません。航空宇宙業界においては、応力解析ツール上で荷重を与えるために使用する荷重モデルの生成にFEAがよく用いられます。これらの応力ツールは多くの場合、スプレッドシートやカスタマイズされたソフトウェアのルーチンにプログラムされていますが、ではこれらもまたCAEツールと言えるのでしょうか?

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(左)航空宇宙構造解析概要  (右)断面荷重

当然ながら、コンピュータは計算(computation)に非常に有効で、コンピュータ進化の初期段階で消費者市場へ参入した電卓は、まさに計算数学を容易にしました。この意味で、電卓やスプレッドシートもCAEに含まれると言えるかもしれません。私は、FEA、CFD、MBDツールと、スプレッドシート上で行われる“手計算”とをつなぐ優れたコネクターをCAE業界は提供すべきだと感じています。このコネクターを効率的かつインタラクティブにすることで、より効果的にコンピュータを使用し、最適なツールや計算を用いたエンジニアの仕事が可能になります。そこでAltairの出番です。Altairは、CAEツールと慣習的に使用されている解析ツールの連結をロバストかつ効率的にする取り組みを続けています。

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私は、コンピュータはエンジニアリングを支援することができるが、結局のところは、確固とした物理学、経験、判断力、専門知識、そしてときには単なる優れた“勘”に支えられているべきだと思っています。確かにコンピュータは、複雑な計算を迅速かつ効率的に実行できる点で、エンジニアにとてつもなく大きな価値をもたらします。例えば最適化手法は、必要とされる計算の数からして、コンピュータを使わずに用いることはできません。ですが、こうした計算は正確な入力、適切な仮定、正しい数学的定式とアルゴリズム、結果を判断する経験値があってこそなのです。

一部のエンジニアは、FEAなどのCAEツールが将来的にエンジニアの需要を減少させるのではないかと懸念していますが、現実にはありえず、むしろ優秀なエンジニアは今後も常に必要とされていくでしょう。それがどんな形式であってもCAEツールと呼ばれるものは、エンジニアのために多くの情報を提供してくれるツールです。それはまさに、電卓によって会計士や簿記係、数学者の需要がなくならなかったのと同じで、CAEツールの継続的な進化が優れたエンジニアの必要性を排除することはないでしょう。私たちは今後もコンピュータのベスト(計算)を引き出す開発を続け、エンジニアのベスト(生活を豊かにする製品の設計)を支援していきます。

 

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カテゴリー: Innovation Intelligence Global, Thought Leaders

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