身近な科学検証シリーズ
日本ではカラースプリングなどと呼ばれるバネのおもちゃ「スリンキー」は、1946年アメリカでの発売当初、インターネットのない時代にもかかわらず、90分で最初の400個が売れたという大変人気のあるおもちゃです。スリンキーを階段で転がして遊んだ記憶はありませんか?スリンキーのもうひとつの面白い事実、それは、、、
「空中に浮くことができる」のです。本当に浮遊しているわけではありませんが、短時間であれば確かにそのように見えます。YouTuberのVeritasiumが制作したビデオでは、スリンキーを完全に伸ばした状態で片方の端から落とすと、もう片方の端でなんとも不可思議な浮遊効果が得られることを紹介しています。

スロー再生すると、スリンキーが重力に逆らっているように見えます
Altairのソリューションを使ってこのイリュージョンを再現し、原因を探ってみます!
セットアップ
この試験の再現には、動的荷重下での非線形問題に対する製品性能の評価と最適化を行う「Altair® Radioss®」を使用しました。世界中のあらゆる産業分野で使用されているRadiossは、複雑な設計の衝突安全性、製造可能性などの向上に貢献しています。
Radiossでモデルを作成した後、スリンキーが重力の影響を受けて完全に伸び、平衡状態になるように配置しました。つまり、すべての力が打ち消され、安定した平衡状態のスリンキーが完成しました。下のビデオでご覧いただけるように、不思議な現象もそっくりそのまま再現しています。
論理的な説明
何がどうなっているのでしょうか?
簡単に言うと、スリンキーの下側は重力で下に、張力で上に引っ張られています。真逆で同じ大きさの力であるため、打ち消し合っています。上側が下がり始めると、張力の変化は圧縮波で伝えられますが、下側に到達するのに時間がかかります。その結果、ほんの少しの間、重力に逆らったような浮遊現象が発生しているのです。
まとめ
スリンキーの浮遊能力は、以前から分かっていたことだと思います。もし、スリンキーが本当に浮いたなら、スリンキーの技術で動く反重力飛行機が開発されている世界線もあったかもしれません。もし、あなたがまだスリンキーをお持ちなら、ぜひこのクールなトリックを試してみてください。でも、まばたきしちゃダメですよ。
Veritasiumは、科学の美しさを見せることに特化したYouTubeチャンネルです。他の動画も面白いのでチェックしてみてください。
*本記事は、アルテア本社が投稿したDigital Debunkingシリーズの「Digital Debunking: Can a Slinky Really Levitate?」を翻訳したものです。
カテゴリー: Altair Global Blog, 身近な科学検証