デジタルで真実を暴く:ドラフティングで、高速道路の燃費を本当に改善できるのか?

*本記事は、米国本社のブログ『Digital Debunking』の投稿文を翻訳したものです。

プロのレースを見ていると、ドライバーが車体同士をとても密接にくっつけていることにまず気付くでしょう。バンパーとバンパーを近づける走り方は、ドラフティングとして知られるテクニックです。空気圧の分布を利用して燃料効率を改善し、車両の抗力を低減するため、ドライバーは、先行車の空力スリップストリームに進入します。

私たちは、このレーシングテクニックを高速道路のドライバーに適用できるのだろうかと考えました。大型の搬送車やトレーラーの後ろでドラフティングすれば、本当に車の燃費を改善できるでしょうか?

近づけば近づくほど、ドラフティングの効果は高まるはずですが、明らかに、これを路上で実行するのは非常に危険です。代わりに、Altair Virtual Wind Tunnel(VWT)シミュレーションツールを使用して実験し、理論をコンピューターで安全にテストしました。

図1:Virtual Wind Tunnel (VWT)のGUI

車とトラックの一般的なモデルデータを用いて、両方の車両に75 mph (120km/h)で走行中の空気圧分布を決定できる数値モデルをVWTでささっと構築します。下のアニメーションは、車とトラックの周りの空気の流れを示し、青で圧力低下のゾーンを強調しています(図2)。

VWTでは、2つの車両間の距離を変更して、圧力分布への影響を簡単に確認できます。図2では、5フィート(1.524m)と333フィート(101.498m)の圧力分布を確認できます。333フィートは、75 mphで推奨される安全な追従距離です。参照用にトラックがない場合も示します。

図2:追従距離に基づく圧力の比較

これらの結果から、車の圧力分布が「車のみ」と「車間距離5フィート(1.524m)」では大きく異なることが分かります。車両の前面に赤で表示されている高圧ゾーンも大幅に小さくなっています。一方、「車のみ」と「車間距離333フィート(101.498m)」の結果は非常によく似ています。これは、車がトラックの影響を受けないほど十分に離れていることを示しています。

5フィート(1.524m)と333フィート(101.498m)の間のいくつかの距離を評価し、抗力と距離との関係を示すグラフを作成しました。抗力に対する追従距離の影響がよく分かりますが、その関係は線形ではないということも確認できます。

しかしながら、抗力の影響はほんの一部です。

実際には、道路上の乗用車には高速道路の速度で揚力が発生します。揚力は、飛行機が飛行する力です。揚力により道路と接触しているタイヤの負荷が下がるので、車が不安定になることがあります。

下のグラフは、揚力と追従距離との関係を示しており、抗力と同様の傾向を示しています。

AltairのVWTを用いることにより、抗力と揚力を求め、パラメータを調べることで、最初の仮定を確認することができました。抗力と揚力とはどちらも、トラックの後ろでの追従距離を短くすることで低減できます。ただし、エネルギー消費量を削減しようとするとドライバーが反応できない距離まで近づく必要があります。 トラックが突然停止した場合 、燃費のメリットを得る代償として、衝突の危険にさらされます。この理論は実証されましたが、絶対にマネをしないでください!

Altair Virtual Wind Tunnelの詳細はウェブをご覧ください。

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カテゴリー: Innovation Intelligence Global, デジタルで真実を暴く

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