RapidMinerでは、人工知能でビジネスや世界規模で良い未来を形作れることを知っています。多くの企業にとってAIを実装することは比較的最近のことですが、私は何年も優れたユースケースを調べ続け、最新のトレンドのトップに居続けました。
2022年もAI周りの誇大広告は増大するのみですが、トレンドを維持している点が、冷たく厳しい現実と根拠のない誇大広告を分けます。この記事では、誇大広告やバズワードを分解して、私が考える現在のAIと機械学習トレンドのトップと、それらが今後数年間のデータサイエンスにどう影響を与えると予想しているか説明します。
過去の予想はどうだったか?
私が自身のデータサイエンスマニフェストで述べたように、データサイエンティストの役割のうち、説明責任は非常に重要です。私自身が過去に行った2020年以降のAI予想が当たっていたかを確認しないのは、私の怠慢になってしまうでしょう。
- モデルがモデルをコントロールする: バイアスを管理するモデルを完全に信用するにはまだ技術が足りない点もありますが、RapidMinerは独自のバイアス検知機能の開発によって、この予想の実現に役立ちました(これはズルかもしれないが、、、シィー…)。しかし、モデルの不適合やバイアスを検知することに重点を置くようになるという当初の予想は、確かに現実のものになりました!AIにおける公平性を確立することに注目している企業が増えています。Salesforce、Airbnb、Fidelityは最近Chief Ethics Officers(最高倫理責任者)を配置し、MLモデルの不適合やバイアスを見つけ、より倫理的なデータサイエンスを作ることを目指しています。
- オートディープラーニングの民主化:「市民ユーザー」がディープラーニングを利用しやすくなり、ディープラーニングの事例は2年前よりますます広く採用されるようになりましたが、もっとたくさんのディープラーニングの手法があり、複雑な問題を解決するのに使用できます。コンピュータービジョンの技術には、例えばサプライチェーンの可視化や異常検知、エッジコンピューティング(CVについては後ほど詳しく)など、さらに活用できる余地があります。
- ラベルなしのトレーニング:転移学習は機械学習の一種で、より速く正確にプロセスを学習させるために、事前に学習したモデルを新しい機械学習モデルの一部に再利用するというものです。Appenのクラウドソースを利用したラベリングのように、クラウドソーシングの可能性と合わせて、転移学習の使用が増加したことで、この予想は非常によく当たりました。
- 説明責任が新たなAccuracyになる:データサイエンスのハネムーン期間は確かに終わりに近づいており、ModelOpsがモデルの監視や説明責任を改善するとの注目が増える一方、未だに起こるべき大きなカルチャーシフトがあります。ほとんどのモデルがいまだにデプロイされていないという事実は、私たちのドメインに真の説明責任がまだ不足しているということを私に示しました。
- アンサンブル2.0:Deep featuresと説明可能なAI: Deep featuresは私が期待した方法では実現しませんでしたが、説明可能なAI、特に理解可能なモデルはとても大きなトピックになりました。LIMEとSHAPという二つの人気のある理論が、ディープラーニングの理解が難しい部分を取り除き、市民データサイエンティストとビジネスアナリストがMLモデルをより簡単に解釈できるようにします。
予測したすべてがホームランだったわけではないですが、全体としては、データサイエンスの分野では、より倫理的で、より説明可能なものへ大きく進んだことがわかりました。それでは、今年の予想をしてみましょう。
1. 進化し続けるデータサイエンスの自動化
誰でもモデルの作成ができることを目指しているAutoMLツールはどこでも目にするようになりました。またAI-as-a-serviceの登場により、AI開発のライフサイクルの各地で自動化やオーグメンテーションも直にコモディティ化するようになるでしょう。
データサイエンティストでない人でも予測モデルを作成できるようになったことで、AutoMLは時間と労力を削減できましたが、現在の能力では実際のデータサイエンティストと置き換えることはできません。データサイエンティストはモデルの作成以外にも多くのことを行っているのです。彼らがAI開発のライフサイクル全体を管理しています。
そうは言っても、私は2022年はよく忘れられがちなデータサイエンスのタスクや「ソフトスキル」において、自動化がさらに進むだろうと予測しています。ユースケースの分析を行うだけで、数秒でこのデータで解決できるベストな問題がどのようなものか教えてくれるプログラムを想像してください。バイアス検知やリスクアセスメント、ターゲットレコメンデーションのような、他の分野でもイノベーションの機会は多くあるでしょう。
2. DSMLマーケットの二分化
Gartner社のような主要な専門家や分析家たちが、DSMLマーケットが「エンジニアリング」と「マルチペルソナ」の二つのセグメントに分かれると報告しています。DSMLエンジニアリングプラットフォームはコードが中心となり、データサイエンスへMLの強力なシステムを設計することを目指しています。一方、マルチペルソナプラットフォームは、非技術者の人々がデータサイエンスの力を利用できるようにすることで、民主化を目指しています。
私が今後数年で起きると考えている、ある大きな機械学習トレンドは、AWSがコード中心のエンジニアリングマーケットを独占するというものです。これは、単純にAWSにはあまりにも多くの利点や勢いがあり、開発者にとって非常に大きな価値があるためです。その一方で、異なる強みを持つマルチペルソナプラットフォームは、マルチペルソナチームのニーズに応えるようになるでしょう。
ユーザーのアップスキルを優先するプラットフォームでは、幅広い人々が利用できるように整備し、ペルソナ間でのコラボレーションを実現させ、LOB特有のDSMLユースケースでより簡単に業務を行えるようにすることが必要不可欠です。
3. ローコードの許容
ローコードアプローチによるビジネスの利益は、特にデータサイエンスおいては非常に大きなものです。市民開発者の多様なグループが、複雑なコードに数週間頭を悩ませることなく、自身のモデルを構築できます。これこそが、「民主化」が行こうとしていることです。
しかしながら、ローコードソリューションによる利益は、初心者だけに適用されるわけではありません。ローコードが進めば、経験豊富な開発者は低いレベルのモデルやアプリの開発から解放され、複雑なビジネスプロセスへの高度なカスタムコーディングに集中できるようになります。このクリップを見ると、DominoのデータサイエンティストがRapidMinerのローコードなインタフェースを用いて、どのようにRベースのモデルをスケーリングさせ、サプライチェーンの需要をより簡単に予測できるようになったかを学ぶことができます。
これはバカげているように思われるかもしれませんが(私はもっと酷いことを言われたことがあります!)、私はコーダーはローコードソリューションを適用する、けん引役になると予測しています。ローコードソリューションを使用することは、データサイエンスプロジェクトがプッシュ(例えば、何かをしてほしいステークホルダー)ではなく、プル(プロジェクトを欲するユーザー)によって推進されることを意味します。ローコードを許容することは、コーダーに大きな生産性の機会を与え、開発者はモデルをより早く作成でき、多くのタスクを委託できるようになります。
4. 環境AIの登場
持続可能性への取り組みは様々な産業、特にエネルギーや石油、ガスのような伝統的に環境に優しくない産業で増加しています。より多くの企業が「グリーン化」を宣言しており、企業は収益を上げながら環境負荷を低くする技術を導入する必要に迫られています。
AIはすでに、無駄なエネルギーの削減や、将来の森林破壊の予防、海洋汚染対策、安全な水の処理政策のような環境の取り組みに使用されています。私はAIが今後もサステナブルな事例に活用されていくと予想している一方で、AI自身の二酸化炭素の排出量の削減にも新たに注目が集まると予測しています。
大量のデータを学習したMLモデルは精度が高いかもしれませんが、環境への影響負荷はそれ以上にあります。転移学習の増加やクラウドコンピューティングへの移行が増えることは、実行時間の短縮や低いメモリ使用量のためにMLアルゴリズムを最適化する機会になるだけでなく、少ないエネルギー消費にもつながるため、炭素の排出量削減の手段となります。さらに、データセンター冷却の代替手段の模索や、物理ハードウェアの使用の減少、クラウドプロバイダーのカーボンニュートラルへの取り組みなどは、真に環境に配慮したAI実現へのカギとなります。
5. 実用的になってきたコンピュータービジョン
2020年の予想を振り返る中で、コンピュータービジョンはより多くのユースケースに使用される可能性があると述べましたが、私は2022年にそれが実現すると考えています。コンピュータービジョンは、現実世界へ適用するのに厳しい制限があるため、これまでクラウド上で実行する際は困難に直面してきました。レスポンスタイムの遅さや高い運用コスト、プライバシーの欠如などはすべて、ハードウェアの要件やスケーリングの複雑さが原因です。
エッジコンピューティングでは、コンピュータービジョンをより身近なものにすることへ向けて大きく前進しました。すでに、AWSはAWS Panoramaの展開によって、CVモデルをエッジにデプロイしたいという開発者の要望に応えています。コンピュータービジョンにおける同様のイノベーションや簡素化は、複雑なAIプロジェクトを民主化し、より実現可能なものに近づけます。
リアルタイム処理を要求するプロジェクトに、コンピュータービジョンがより身近なものになることで、私は他のプロバイダも自身のソリューションによって応えると予想しています。例えば、製造業ではマテリアルの不良検知や、ビルのエントランスを監視してセキュリティを高めたり、リアルタイムでスタッフにアラートを出すなどにCVを実装できます。
このようなAIトレンドをあなたやあなたの組織で実現させることに興味はありませんか?詳細はこちらをご覧ください。
*本記事は、RapidMiner創業者Ingo氏の執筆記事を翻訳したものです。
カテゴリー: Altair Global Blog, データアナリティクス




