早速、前回の最適化形状を元にモデリングしていきます。Inspireの最適化結果はこちらです。

最適化結果(前回のブログ参照)
最適化形状を元にモデリングするときはPolyNURBS機能を使います。PolyNURBSは普通のCADでのモデリングとは異なり、ボックスを組み合わせて形状を作成します。寸法のつかない最適化形状をトレースしてモデリングするときは、この方法の方が簡単だと思いました。形状の微修正も非常に容易なので3Dプリンターを使用するモデリングにぴったりです。

PolyNURBS機能で最適化結果をトレース
最適化計算で出力された形状は起伏のある形で出力されることもありますが、正確にモデリングする必要はありません。大まかな形状をトレースし、ポイントなどを移動させてボックスを修正しながら、流れるような形状に修正していきます。
最適化結果は2点の締結でよいとされていましが、他の最適化結果では4点締結になることもありましたし不安が残るので、ブリッジのような形を追加して接続し4点締結としてみました。完成したモデルがこちらです!

完成した新形状
さらに、ナンバー灯やウインカーを付けてアセンブリしてみます。

アセンブリした状態
なかなかいい感じではないでしょうか?
この段階で取付テストをしてみたいですが、3Dプリントはコストがかかるので、実物大で紙に印刷したものを実際にバイクに当てて寸法や取付位置をチェックしてみます。
平面図をInspire Studioのドローイング機能で作成します。Inspire Studioでは詳細図や断面図なども作成できます。
実寸大で紙に印刷し、厚紙に貼ったものを切り抜いてバイクに当ててみました。

紙による干渉チェック
幸い干渉はありませんでしたが、ナンバープレートの角度は40°までと規定されているところ約15度オーバーしてしまっています(やはりアナログなリバースエンジニアリングで精度の良いモデリングは難しい・・・)。また、紙を当ててみるとボルト締結部の角(赤丸の部分)の出っ張りが気になりましたので、修正することにします。
ここまでの流れで使用したのはInspireとInspire Studioです。この2つのソフトウェアを組み合わせれば、モデリング→最適化→再設計→図面作成までの流れが非常にスムーズに行え、便利だと思います。
干渉チェックによりNGになってしまったので、次回こそ、再設計→3Dプリント編をお送りします!
- 3Dプリンティングパーツの設計 1.モデリング編
- 3Dプリンティングパーツの設計 2.理想形状編
- 3Dプリンティングパーツの設計 3.最適化結果をモデリング&干渉チェック
カテゴリー: 3Dデザインあれこれ, 事例