PhysicsAIに関する13のよくある質問

Altair PhysicsAIは、CAEユーザー向けに強化した幾何学的深層学習(Geometric Deep Learning)を提供します。HyperWorks 2022.3以降、CAEデータを活用した物理予測が可能なPhysicsAIが搭載され、ユーザーからのフィードバックを受けながら改善に努めてきました。HyperWorks 2023からは、使いやすさと汎用性の向上に注力しています。

ここでは、PhysicsAIに関して特に多く寄せられる13の質問とその回答を、(1)データとフォーマット、(2)計算とリソース、(3)精度と品質の3つのカテゴリーに分けてご紹介します。

1.データとフォーマット

Q.学習データにはどのようなファイル形式が対応していますか?

A. HyperViewで読み込むことができるファイル形式(H3D形式推奨)に対応しています。

 

Q.過渡解析はサポートされていますか?

A. はい、静解析と過渡解析の両方に対応しています。

*過渡解析の場合、結果のタイムステップがそろっている必要があります。

 

Q.学習用にはどのくらいのデータが必要ですか?

A. 十分な予測精度を得るために必要な結果ファイルの数はプロジェクトによって異なります。形状、結果、解析の複雑さ、データの量によって、数ファイルで足りる場合もあれば、数十~数百ファイルが必要な場合もあります。一般的な目安としては、最低10個以上の結果ファイルで学習することをお勧めします。

 

Q.メッシュの要素数、ノード数はそろっている必要がありますか?

A.いいえ、同一の要素数、ノード数である必要はありません。以下のように、メッシュはトポロジー的に同じである必要もありません。

PhysicsAIに関する13のよくある質問

Q.学習に使用するデータの形状はどの程度異なる必要がありますか?

A. トレーニングデータに許容される形状の変動には特に制限はありませんが、2つの点を考慮する必要があります。学習データには、予測対象となる新しい設計(形状)を十分に考慮し、含める必要があります。形状の変動が大きいデータセットには、品質を維持するためにより多くの学習データ(結果ファイル)が必要です。予測する際、信頼度(confidence)スコアを使用して、新しい設計が学習データとどれだけ類似しているかを数値化できます。

PhysicsAIに関する13のよくある質問

2. 計算とリソース

Q.GPUは必要ですか?

A.いいえ、CPUだけでもモデルのトレーニングは可能ですが、GPUに比べると計算速度は遅くなります。

 

Q.どのGPUに対応していますか?

A. GPUでトレーニングを行うには、CUDA Toolkit 11.8とcuDNN 8.7をインストールする必要があります。そのためには、少なくともPascalマイクロアーキテクチャ以降(compute capability 6.0以上)のNVIDIA製GPUが必要です。

 

Q.GPUとデータセットのサイズは学習時間にどのように影響しますか?

A.高性能なCPUなら計算時間を短縮できますが、CPUからGPUへの切り替えは、より大きなパフォーマンスの向上が期待できます。ハードウェアに関わらず、トレーニング時間はデータセットサイズにほぼ直線的に比例します。代表的な例として以下の表をご覧ください。

データ量 10個 50個 100個
ノートPCのCPU 44分 3時間35分 7時間54分
HPC CPU 34分 2時間46分 5時間10分
GPU 3分 16分 33分

 

Q.HPC環境でトレーニングはできますか?

A. はい、可能です。詳細はヘルプドキュメントでご確認ください。

 

3. 精度と品質

Q.どの程度の精度ですか?

A.一般的に、精度はデータ量、モデルの学習パラメータ(width、depth、epochなど)、学習時間によって向上できます。ただ、実際には、これらの設定には限界があります。学習済みモデルの品質評価は、トレーニングプロセスの最終段階で行われます。例えば、テストデータセットのMAE(平均絶対誤差)などを用いて評価します。

 

Q.良いMAEとは何ですか?

A. MAE(平均絶対誤差)は予測誤差の指標です。例えば、MAEが4mmである変位予測モデルであれば、予測結果に平均4mm程度の誤差が含まれると解釈できます。エンジニアリングの対象として予想される変位が5mmであれば重要な誤差ですが、500mmであればそれほど問題にならない場合があります。

 

Q.学習パラメータはどのように設定すればよいですか?

A.プロジェクトによって異なります。まずはデフォルトの設定から始めることをお勧めしますが、より高い精度を求める場合は設定を調整する必要があります。同じデータセットのモデルを繰り返し学習することで、さまざまな設定パターンで結果を比較できます。このような実験を行うことで、似たようなプロジェクトの同じような設定で最高の結果を出すための実証的な裏付けを得ることができます。

 

Q.学習済みモデルはソルバー代わりになりますか?

A.なる場合と、ならない場合があります。モデルはソルバーの高速な近似を目的に設計されているため、一般的にソルバーと同等の精度を期待することはできません。通常、ソルバーより1〜3倍高速ですので、ソルバーの精度を達成できなくても有用と言えますが、設計の最終段階では、ソルバーを使って検証する必要があります。つまり、適切なトレーニングデータと設定があれば、モデルを比較的正確に構築できます。

最後に…

PhysicalAIを支えるテクノロジーは今後も拡大していきます。これは遠い未来の話ではありません。ツールはすでにソフトウェアに組み込まれており、数クリックでPhysicalAIを使用い始めることができます。まだ試したことがない方は、最新バージョンのHyperWorksを使って、AIベースの設計を始めてみてください。

 

*この記事は、米国本社の「13 Frequently Asked Questions About Altair physicsAI」を翻訳したものです。

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カテゴリー: Altair Global Blog, データアナリティクス

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